相続登記の義務化で何が変わる

相続登記の義務化について

不動産を購入した場合に所有権を第三者に主張するためには登記をしなければなりません。ただし相続によって不動産の所有権を取得した場合には、遺産分割前であれば登記がなくても所有権を主張できます。相続時に登記をしなくても大きな問題がないため手続きを怠るケースが多く見られます。日本政府は相続登記を促すために2024年から手続きを義務化する予定です。

2011年の東日本大震災では津波の影響で所有者の分からない土地が数多く発生しました。被害に遭った土地の登記を確認しても記載されている所有者が何十年も前に亡くなっており、現在の所有者が分からなければ復興事業で用地買収をスムーズに行うことができません。民間有識者による研究会は2016年に所有者不明の土地が全国で約410万ヘクタールもあり、2040年には北海道に匹敵する約720万ヘクタールになると推計しました。所有者が不明の土地を放置すると2040年には累計で6兆円もの経済損失が生じると考えられています。

現状では相続登記の義務がありませんが、日本政府が本格的に検討した結果として2024年から義務化される見込みになりました。最後の相続登記から50年以上が経過した土地は大都市で6.6%、中小都市では26.6%を占めています。これらの多くは登記簿上の名義人が既に死亡し放置されている可能性が考えられます。不動産を売却する場合、相続人は自分自身が所有者であることを証明しなければなりません。

2024年には相続登記が義務化される予定ですが、売却を検討していたり権利関係が複雑化するのを避けるには早期に手続きを行うことが大切です。

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